猫ってモフモフしていてかわいいですよね。私は自分が生まれたときから2匹の猫が家にいたからか、猫が大好きなんです。
忙しい両親だったので、猫と一緒に育ったようなものです(笑)ご飯を食べる時も膝に乗せていたので、「ご飯のときくらい下ろしなさい」とよく言われていました。
香港では干しエビや干物などの乾物屋さんや果物屋さん、街のKIOSKなどでよく猫を見かけます。狭い土地に人がひしめき合い、バスや車も多い香港でふと猫を見かけると、あのゆったりのんびりした猫の風貌にとっても癒やされるんですよね。
そうやって街でちょこちょこ猫を見かけていて、ある日、耳が切れている猫を見たんです。「虐待?!それともケンカしたのかな...」と心配したのですが、後日友達から猫の耳が切れている理由を聞きました。
私のように「耳が切れてる!大丈夫なの?!」と心配されている人へ、耳の切れた猫についてご紹介します。理由を知れば「かわいそう...」と心配することなく、安心して癒されますよ。
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Contents
耳が切れている猫がいる?!
私は香港では猫を飼っていません。猫のいるお友達の家に遊びに行ったときに、ここぞとばかりに遊ばせてもらっているんです。お友達のお家には猫が2匹いるのですが、2匹とも私が日本の実家で飼っていた猫と同じ見かけです。
見かけというのは「耳」のことなのですが、街を歩いているときは、たまに耳の切れた猫を見るんです。
実家で飼っていた猫はしっぽの先が生まれつき曲がっていたので、香港の耳が切れた猫も「生まれつきなのかな」と思ったり、ドラえもんのように「ネズミにかじられたのかな」と思ったりしていました。
でもちょこちょこ耳が切れている猫を見かけるので、「もしかして虐待?!」と心配していたんです。でも、この耳の形は虐待ではなく、ある大切な目印だと後で知りました。
耳が切れているのは不妊手術がされている目印
耳が切られている猫は、人に飼われていない野良猫です。そして耳が切れているのは、「この猫はちゃんと去勢手術されています」という目印なんです。
香港の動物愛護団体により捕獲され、不妊手術を受けた後、元の地域に返されます。これを「TNR」と言います。
次に「TNR」について詳しく紹介しますね。
野良猫に施されるTNRとは
「TNR」とは以下の頭文字をとった言葉です。
Trap(トラップ): 捕獲
Neuter(ニューター): 不妊手術
Return(リターン): 元の場所に戻す
人間になつかない猫や野良猫たちが子供を産んで猫の数が増えないための対策で、香港では2000年8月から始まりました。
Trap(トラップ): 捕獲
香港の動物愛護団体とボランティアの人達によって、猫は速やかに捕獲されます。
Neuter(ニューター): 不妊手術
捕獲された猫は、麻酔をかけた上で耳の小さな角を切る処置を受けます。
雌猫が左耳、雄猫が右耳に処置をされるそうです。手術後は鎮痛剤を施されるので、麻酔が切れた後に痛みを感じたり、違和感を感じて処置を受けた部位を引っ掻いたりする心配もありません。
Return(リターン): 元の場所に戻す
不妊手術をされた猫は、元の場所へ戻されます。
万が一捕獲された猫に何か問題がある場合は、チップを埋め込む処置もされ、このチップによって、猫をより効果的に識別することができるんです。
2003年以来、処置をされたすべての猫にはチップが埋め込まれているそうですよ。
どうして香港では「TNR」が必要なの?
私のように街で猫を見かけて癒やされる人もいれば、迷惑を感じる人もいますよね。そして野良猫を排除するために、猫を見つけて殺傷する人たちがいるようです。でもこれって非人道的なやりかたですよね。
また捕まえやすい猫というのは、子猫や年寄の猫で、繁殖機能をもつ大人の猫は動きも俊敏でなかなか捕まえにくいです。子猫や年寄の猫を捕まえても、大人の猫がうまく逃げていれば、また子供が生まれ、結局野良猫の数は減らないそうです。
「TNR」は1990年代にイギリスやアメリカなどの国々で採用され、子猫の養子縁組計画と合わせることで、効果的に、また人道的に猫の数を制御することに成功しました。香港でも2000年8月に開始されて以来、59,000頭以上の猫がTNRを受けているそうです。
香港動物愛護協会(SPCA)について
香港動物愛護協会(SPCA)はもともと1903年にボランティアのグループによって結成された、動物福祉の最初の慈善団体です。政府からは運営費の1%しか補助金が出ておらず、残りは一般からの寄付を通して維持されています。
私はほとんどの資金が政府から出ていると思っていたので、99%が寄付で成り立っていると知りビックリしました。私達の寄付ってとっても大事なんですね。
まとめ
- 香港には耳が切れている猫がいる
- 猫の耳が切れているのは不妊手術「TNR」が施された印
- TNRは人道的に猫の数を制御する効果的な方法
耳を切るなんてかわいそうと思う人もいるようですが、不妊手術しているのかチェックするために何度も捕まえられるのは、人に飼われていない猫にはとってもストレスですよね。
私は「TNR」を知ってからは、耳が切られた猫を見ると、「あぁ、安全に管理されているんだな」と思う様になりました。あの耳の形は、猫と人がうまく共存するための、大切な目印だったんですね。
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