香港の言葉は中国語でしょ?と思っている人は多いんじゃないでしょうか?
私は思っていました。
私は海外に住んでいたことがあるのですが、そこで香港人の知り合いができました。私は学生時代に中国語をかじっていたので、自分の中国語を披露することにしました。
「我是日本人(私は日本人です)!」
「謝謝シエシエ(ありがとう)!」
「好吃ハウツー(おいしい)!」
いきなり自信満々に私の中国語を聞かされて、その知り合いはポカーンとしていました笑
私は自分の発音が悪くて通じなかったのだと思っていたのですが、後から香港では中国語は使わないと知りました。
私のように香港では何語を使うのか知らない人へ、香港の公用語と旅行でも使える「ありがとう」の言い方をご紹介します。
また、「ありがとう」のサインもあるので参考にしてくださいね。
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香港って何語を使うの?
「香港って中国語でしょ。『こんにちは』は『ニイハオ』なんて子供でも知ってるよ。」と思っている人はいませんか?
違うんです。
香港で中国語、いわゆる北京語(Mandarin)は使いません。じゃあ何語を使うの?というと「広東語(かんとんご)」を使います。
北京語と広東語何が違うの?
例えば
「こんにちは」
・《北京語》你好(ニイハオ)
・《広東語》你好(ネイホウ)
と、同じ書き方で発音だけ違うものもあれば、
「おいしい」
・《北京語》好吃(ハオツー)
・《広東語》好食(ホウセッ)
と、書き方も違うものもあります。
ちなみに私の旦那さんは香港人なのですが、北京語は話せませんし、聞き取ることもできません。
つまりは全く違うのです。
広東語には2通りの「ありがとう」がある
日本語で「ありがとう」は「ありがとう」1つだけ、英語なら「Thank you」1つだけですよね。
でも広東語には「ありがとう」の言い方が2つあるんです。
もう少し詳しく言うと、
- 何かサービスしてもらった時に言う「ありがとう」
- 何かもらった時に言う「ありがとう」
の、2種類があるんです。(え~、そうなの?笑)
ということで、この2種類の「ありがとう」について、詳しく紹介しますね。
サービスしてもらった時に言う「ありがとう」
サービスしてもらった時には「唔該(ン ゴイ)」と言います。
広東語は同じ発音でも、音程が違えば違う意味になったり、全く理解してもらえない難しい言語なんです。
唔該(ン ゴイ)は、ドレミの音階で言うなら
唔(ン)=ドの音該(ゴイ)=ソの音
「唔(ン)」の低い音から、「該(ゴイ)」の高い音へ上がるイメージです。
また、サービスしてもらった時というのは、例えば
- 道を教えてもらった時
- 写真を撮ってもらった時
- 物を拾ってもらった時
- ベッドメイキングをしてもらった時
- シャトルバスを降りる時
- 物を持ってもらった時
などです。
「サービス」というくくりで考えるよりも、「何かしてもらった時」と考えた方がわかりやすいかもしれませんね。
もらった時に言う「ありがとう」
何かもらった時には「多謝(ドーチェー)」と言います。
多謝(ドーチェー)も音階で言うと、
多(ドー)=ソの音謝(チェー)=レの音
「多(ドー)」の高い音から、「謝(チェー)」の低い音へと下がるイメージです。
もらった時というのは、
- プレゼントをもらった時
- お土産をもらった時
- 割引券をもらった時
- お菓子をもらった時
など、まさに「何かをもらった時」ですね。
だいたいイメージがついたでしょうか?
香港滞在中に使い場面は何回かありそうですよね。
わかったつもりでも、使っているうちに混乱して、後から思えば反対だったなんていうこともよくあります。
でも、言い間違っても、おそらくこちらの意図は伝わるかなと思います。
ただ、注意する場面があります。
言い間違えてしまうと、一瞬その場がシーンと凍り付いてしまうかも。
次は、場を微妙な空気に刺さないための、絶対間違ってはいけない場面についてです。
「唔咳(ンゴイ)」と「多謝(ドーチェー)」の間違ってはいけない場面とは
かれこれ20年くらい前に、以前香港に留学していた友達と香港旅行に来たことがあります。
その時が初めての香港で、「へ?カントンゴ…?」というレベルでした。
友達から「ありがとう」の2つの言葉と一緒に、注意点も教わりました。
それが「食事の場では『唔咳(ンゴイ)』と『多謝(ドーチェー)』の間違わないように」ということでした。
どういうことかと言うと、
「唔咳(ンゴイ)」は何かをしてもらったとき、「多謝(ドーチェー)」は何かをもらったときに使う言葉。
これを例えば、友達とご飯を食べているとします。
お会計の時に「今日はありがとう」と言うつもりで、間違って「多謝(ドーチェー)」と言ってしまうと、「ご飯をもらってありがとう=おごってもらってありがとう」となるんです。
仲のいい友達なら「なんでだよ〜笑」と笑ってくれますが、知り合い程度の間柄だったら「え、これって言い間違いなのか、しれっとおごってもらうつもりなのか…」とすっごい微妙な空気が流れちゃいます。
香港では英語も良く使いますし、日本語を知っている人も多いです。
どっちを使うか迷ったら日本語で「ありがとう」でも十分伝わりますよ。
飲茶で使う「ありがとう」のサイン
香港には飲茶で使う「ありがとう」のサインもあります。
香港の人はおしゃべりがすごく好きなんですよね。飲茶で食べたり飲んだりしながらずっとしゃべっています。
飲茶では小さい湯呑みにお茶を入れ、少し減っていれば誰か気付いた人が注いでくれます。
これがしょっちゅう行われるんです。
おしゃべりしながら、お茶を入れてもらう度に「ありがとう」と言っていると、話が途切れてしまいますよね。
そこでサインを使うようになったそうです。
サインは、人差し指と中指でテーブルをトントンと軽く叩きます。
または、グーチョキパーのグーから人差し指と中指を少し出した形でテーブルを軽く叩きます。
それでもサインはサイン。やっぱり口でちゃんと言った方が礼儀があると思います。
実際、香港の人と飲茶をして見ていても、いっつもサインを使うということではないですね。口で言うのと半分半分くらいでしょうか。
食事の状況を見て使い分けてくださいね。
まとめ
- 香港では広東語を使う
- 広東語には「唔咳(ンゴイ)」と「多謝(ドーチェー)」2通りの「ありがとう」という言葉がある
- 食事で 「多謝(ドーチェー)」 と言うと「おごってもらう」意味になるので注意
- 飲茶ではテーブルを叩く「ありがとう」のサインがある
香港は英語でもだいたい通じますが、ローカルの言語である広東語を使ってコミュニケーションを取られればより楽しいですよね。
あいさつの基本である「ありがとう」は色んな場面で使うので、言葉やサインで地元の人と簡単に交流できます。
ただ街を観光するだけでなく、一味違った経験ができますよ。